非球面レンズ
清原光学透過波面測定
非球面レンズヌルミラー干渉計
ANI-Z1
非球面レンズを透過した光を干渉計測することで、
そのレンズが持つ収差を正しく計測が出来ます。
振動に強く、測定時間が短いです。
原 理
サンプル透過光が正対して反射するよう非球面のヌルミラーを設計し設置します。サンプルが設計通りの性能が出ていれば、干渉計に戻る波面は「無収差」となり、サンプルに何らか問題があると戻り波面が乱れて、干渉縞に反映されます。従って干渉計で平面や球面を測る事と同じ様に非球面が測れます。
1.従来の測定方法と非球面ヌル干渉法
① 従来の測定方法
多くの企業が採用している「プローブ式3次元測定機」
今現在、非球面計測で多く使われているのがプローブ式3次元測定機です。 サンプル表面を捉えたプローブでサンプル表面を走査しサンプルの表面形状を計測します。
走査するため測定に時間がかかります。時間が掛かるためサンプルに対して”十字”(X、Yの2方向スキャン)で計測することが多くなります。”面”でサンプルを捉える事は時間的に大きな負担となってしまいます。 またこの方法でつかめるのはサンプルの外形だけです。光学的に影響を及ぼすサンプル内部の光学的歪等はこの方法では、判らないし測定できません。
② 非球面ヌル干渉法
簡易非球面レンズ検査器
上記のように走査タイプの測定法の欠点を改善する目的で開発されたのが簡易非球面レンズ検査器です。
下図(左図)の様にサンプル透過光が正対して反射する様、非球面のヌルミラーを設計して設置。サンプルが設計通りの性能が出ていれば、干渉計に戻る波面は”無収差”となります。サンプルに何らかの問題があると戻り波面が乱れて、干渉縞に反映されます。従って干渉計で平面や球面を測ることと同じ様に非球面が測れることになります。干渉計であるので波面計測となり、測定時間も数秒のオーダーとなります。レンズ内部に光を通すので、レンズ内部の光学的異常は測定結果に反映されます。
ところが上図(右図)の様に、サンプルやヌルミラーが所定の位置から平行移動や回転した場合、戻り光の波面には平行移動や回転の影響による波面の乱れが加わります。得られた干渉縞からはその乱れがレンズによるものかミスアライメントによるものか区別がつきません。従ってこの方法はアライメントが十分正しく行われていることが必須の条件となります。特にこの方法ではシフトにより発生した収差を回転による効果で打ち消している状態とアライメントが正しい状態を区別することが難しいです。今までこのアライメントを正確かつ簡便に行う方法がありませんでした。そのため非球面ヌル干渉法は広く使われることはありませんでした。
③ 清原光学の非球面ヌル干渉法
アライメント情報をサンプル並びにヌルミラー自体に持たせる
具体的には上図の様にヌルミラーの一部(図では外周部)に非球面軸と直交する平面部を設けます。サンプルにおいてはサンプルのコバの平面部をこの情報源とします。これら部分からの反射光を干渉計で観察することによりサンプル及びヌルミラーの軸方向が確認できます。さらにティルトの調整工程を加えてサンプル光軸とヌルミラー非球面軸の2つの軸の平行が確定できます。その後、サンプルあるいはヌルミラーの平行移動調整を干渉縞のコマ成分を見ながら行えばアライメントが完了となります。 このようにして計測した結果を下図に示す。非球面サンプルでありながら球面計測と同じ様な干渉縞が得られているのが判ります。
通常干渉計測でもサンプルのティルト調整は行わねばなりません。清原光学非球面ヌル干渉法はそれに加えて平行移動調整が加わっています。本方法は通常の干渉計測に加えて1ステップ調整が加わっただけで測定が可能となる簡便な方法です。
2.非球面ヌル干渉計の仕組み
① 現状の非球面ヌル干渉計
② 清原光学の非球面ヌル干渉計
レンズ内部の透明光を使う→”内部を見る”
透明光の”状態の変化”を観測する。
測定は1回(0.2sec)で終了理想的な状態からの変化量が判る。
有効径内の光束を透過させる=実際の使用時と同じ
測定結果は実際の使用時の性能が反映される
内部に光を通すので内部脈理の存在も測定結果に表れてくる
(自動化でレンズ交換、アライメント含めて1sec計測を狙う)
両面形状、軸ズレ、軸の傾き、内部歪が全て使用時の性能という尺度で測れる。(ただし各要因の分離はできない)